MCPツールストアに1日で5本出品して分かったこと —
説明文・価格・罠の実測メモ
teai.ioのMCPゲートウェイには、第三者の開発者が自作MCPツールを載せて従量課金で売れる ツールストア(開発者取り分80%)があります。仕組みを作った側として、まず自分が最初の出品者になって 1日で5本を実際に出品しました。この記事はその実測の一次情報です。数字は盛っていません。
- 動くMCPサーバーのURLがあれば、登録は下のcurl1本で終わります
- 呼ばれるたびに売上の80%が開発者の取り分。課金・請求はteai持ち
- 先行登録の最初の3人には¥3,000相当のteaiクレジットも進呈
curl -X POST https://api.teai.io/api/v1/mcp/services \
-H "Authorization: Bearer $TEAI_API_KEY" -H 'Content-Type: application/json' \
-d '{"slug":"yourtool","upstream_url":"https://yourtool.example.com/mcp","default_credits":5}'出品した5本(全部本番で課金E2E済み)
| slug | ツール | 価格/回 | 実測レイテンシ |
|---|---|---|---|
qrcode | QRコード生成(PNG/SVG) | 3cr | 〜0.1秒 |
pdftext | PDF→テキスト抽出 | 5cr | 0.3〜1.5秒 |
ogpmaker | OGPシェア画像 1200x630 | 10cr | 2〜4秒 |
seikyusho | 適格請求書PDF(インボイス対応) | 15cr | 1〜2.5秒 |
shohyo | 商標リスク診断(AI) | 50cr | 53〜64秒 |
いちばん大事な発見 — エージェントは説明文と価格だけで選ぶ
買い手がAIエージェントだと、SEOもブランドも広告も効きません。エージェントが読むのはtools/listの
説明文と価格だけ。つまり「説明文の正確さ」がマーケティングのすべてになります。私たちが全ツールに適用している型:
1行目: 「◯◯を渡すと、◯◯を返します」— 具体的に 入力: 各パラメータの意味・単位・上限・既定値(例つき) 出力: 形式とサイズ感 実測レイテンシ: 「実測でおよそN秒」(必ず自分で3回測る) できないこと: 限界を正直に(OCRしない・実データ照合しない 等)
「できないこと」を書くのは損に見えますが逆です。説明文の通りに動かなかったツールを、エージェントは二度と呼びません。 たとえば商標リスク診断には「J-PlatPatの実登録データとの照合は行っていません」とはっきり書いています。
価格の決め方(実例と分配の実際)
| クラス | 目安 | 実例 |
|---|---|---|
| 軽量ユーティリティ(〜1秒) | 3〜5cr | qrcode=3 / pdftext=5 |
| 生成系(1〜5秒) | 10〜15cr | ogpmaker=10 / seikyusho=15 |
| 重いAI呼び出し(数十秒) | 30〜60cr | shohyo=50 |
分配は切り上げ式((価格×80+99)/100)なので、3crのような低額ツールは開発者取り分が実質100%になります
(3cr→開発者3cr)。第三者ツールの上限は60cr/回です。
最小実装は約100行(Cloudflare Workers)
必要なのはJSON-RPC 2.0のPOSTハンドラ1本だけ。実装必須メソッドは3つです。
| メソッド | 返すもの |
|---|---|
initialize | protocolVersion / capabilities / serverInfo |
tools/list | ツール定義の配列(name / description / inputSchema) |
tools/call | {content: [{type:"text"|"image"|"resource", ...}]} |
(notifications/*は202で受け流すだけ。)登録はAPI一発です:
# 1. 自分のWorkerをデプロイしてから登録(登録時にtools/listの実疎通が走る) curl -X POST https://api.teai.io/api/v1/mcp/services \ -H "Authorization: Bearer $TEAI_API_KEY" -H 'Content-Type: application/json' \ -d '{"slug":"yourtool","upstream_url":"https://yourtool.example.workers.dev","default_credits":5}' # 2. 審査(pending→live)後、収益はいつでも確認できる curl https://api.teai.io/api/v1/mcp/earnings -H "Authorization: Bearer $TEAI_API_KEY"
実測で踏んだ罠(これから出品する人へ)
- 上流レスポンス5MB上限 — フォント全埋め込みPDF(4.2MB)をbase64で二重出力して超過しました。バイナリは1回だけ出力・フォントはsubset埋め込みで4.2MB→35KBに。
- slugは3文字以上(「qr」は拒否されて「qrcode」にしました)
- デプロイ直後20〜30秒はエッジ伝播ラグでエラーになることがある — 5回連続200を確認してから登録へ
- 課金の検証は残高でなく台帳(
/api/v1/mcp/earnings)で — 残高は他の利用と混ざります - 入力エラーはJSON-RPCエラーで返せば利用者に課金されません — ゲートウェイはレスポンスの中身を見て課金をスキップします。真面目にバリデーションを書くほど利用者との信頼になります
- レイテンシはcurlの体感でなく複数回の実測で — TLSハンドシェイクの遅延が混ざって過大評価しがちです
🎙 音声で聞く
Claude Codeで作るなら — このプロンプトを貼るだけ
何を作るか決まっていなくても、以下をそのままClaude Code(や他のコーディングエージェント)に貼れば、雛形の実装からデプロイ、 teai.ioへの登録直前まで一気に進みます。実際に私たちもこの進め方で5本出品しました。
teai.ioのMCPツールストアに出品する、最小構成のMCPサーバーを作ってください。要件:
- Cloudflare Workers(TypeScript)。JSON-RPC 2.0のPOSTハンドラ1本
- 実装するメソッド: initialize / tools/list / tools/call(他のメソッドは202で受け流す)
- ツールの内容: 「<ここに1行でやりたいことを書く。例: PDFのURLを受け取り、指定ページを画像で返す>」
- tools/listの説明文には次を正直に書く: 入力の意味・単位・上限・既定値/出力の形式/実測レイテンシ(自分で3回計測)/できないこと
- 出力は {content:[{type:"text"|"image"|"resource", ...}]} 形式、5MB以内
- 実装できたら wrangler deploy でデプロイし、本番URLに5回連続200が返ることを確認してください
- 最後に、以下のcurlコマンドをslug・upstream_url・default_creditsを埋めて実行し、teai.ioに登録してください(TEAI_API_KEYは環境変数から):
curl -X POST https://api.teai.io/api/v1/mcp/services \
-H "Authorization: Bearer $TEAI_API_KEY" -H 'Content-Type: application/json' \
-d '{"slug":"???","upstream_url":"https://???.workers.dev","default_credits":?}'まだ誰も出していないアイデア(儲かるかもは未検証・仮説です)
エージェントからの需要はまだ実測できていないので、以下は「作ったら伸びそう」という仮説です。断定はできませんが、 軽量・低レイテンシ・説明文が正直、という上の5本に共通する条件は当てはまるはずです。
- 画像変換系 — HEIC→JPEG、背景除去、透過PNG化。エージェントが生成物を共有する場面で毎回必要になる
- Markdown/HTML→PDF — 議事録・請求書・簡易契約書など、エージェントが「文書を作って」で終わらせたい場面向け
- 日本の行政データ系 — 郵便番号→住所、法人番号検索(国税庁API)、インボイス番号の形式チェックなど、地味だが単体では作られにくい
- 価格・在庫の定期監視 — 指定URLの値段や在庫を見て変化があれば返す(ポーリングの結果を返すだけの軽量ツール)
- ドメイン/DNS診断 — whois・DNS伝播確認・SSL証明書の期限チェック(このガイドを書いている私たち自身、bim.houseの証明書失効で痛い目に遭いました)
- 契約書・規約の危険条項チェック — 出品済みの商標リスク診断(shohyo)の隣接領域。「できないこと」を正直に書くほど信頼されるジャンル
出品してみたい開発者の方へ
実装〜出品までの手順は上記がすべてです(Workerの雛形もあります)。最初の数人には実装から出品まで直接伴走します。 APIキーは/keysから無料で発行できます。