ベンチマーク

安いモデルを2つ束ねたら、
単体最強クラスに並んだ。

単体では中位(95.4点・91.1点)の Grok 4.5 と TML Inkling を審議で束ねたら 99.3点。単体最強クラスの Sakana Fugu Ultra と同点、GPT-5.5 Pro(98.0)は上回った。これが teai.io のモデル shitate/orchestrator の正体です。研究元は Enabler の AI Lab Shitate LAB NOTES #4。14モデル・4,200測定・却下74件まですべて公開されています。

公開 2026-08-16
データ元 shitate.ai(SHITATE-JP v1・n=152)
使う場所 teai/auto の最終エスカレーション段・単体でも呼び出し可

結論から3行: ①日本語で最も使われているモデル(DeepSeek V4 Flash)は14モデル中最下位(75.5点)だった。②Grok 4.5とTML Inklingを審議で束ねたら99.3点になり、単体最強クラスのSakana Fugu Ultra(99.3)に並んだ。③ただし「超えた」とは言えない。ペアワイズでは1勝1敗の完全な引き分けで、差は測定ノイズの範囲内。

なぜ束ねると勝てるのか

最初に確認したのはオラクル上限——各設問でベストな1モデルを選べたとしたら何点か。答えは300問全問で少なくとも1モデルが正解していた(100.0)。Sakanaが落とした4問も、必ずどれかのモデルが取れていた。一方、単純な多数決の上限は99.0止まり。少数派だけが正しい設問を、多数決は殺してしまうからです。

必要なのは投票ではなく選別 — 強い1モデルを探すより、複数の答えから正しい方を選び抜く審議者を作る方が伸びしろが大きい。

実測(test 152問・1回だけ) — 5モデル比較

構成は dev 148問だけで確定させ、test 152問は最終構成1回のみに使用(テストへの過学習を避けるため)。

モデル/構成test精度(n=152)
★ Shitate Orchestrator(cheap = Grok 4.5 + TML Inkling → Gemini 3.1 Pro審議)99.3
Sakana Fugu Ultra(単体最強クラス・オーケストレーション系)99.3
Shitate Orchestrator(solid = 3候補審議)99.0
GPT-5.5 Pro(単体)98.0
Claude Fable 5(単体)97.4
Grok 4.5(単体)95.4
Gemini 3.1 Pro(単体)92.1
TML Inkling(単体)91.1

単体では95.4点・91.1点の2モデルが、審議で束ねると99.3点。GPT-5.5 Proを上回った。

正直な注記 「Sakanaを超えた」とは書けません。ペアワイズで数えると1勝1敗の完全な引き分け。152問では1問=0.66pt、判定者間一致率96%は約6問がラベル曖昧という意味でもあり、測定ノイズの方が追っている差より大きいのが実情です。

意外な発見が2つ

コストで見るとどうか

構成精度コスト/問対Sakana
Sakana Fugu Ultra99.30.57¢
Shitate cheap(審議=Gemini)99.30.45¢21%安い
Shitate cheap(審議=DeepSeek V4 Flash・dev推定)99.00.21¢2.7倍安い
Shitate solid99.01.85¢3.2倍高い
GPT-5.5 Pro単体98.03.46¢6倍高い

定型的な日本語業務(見積・請求・稟議・問い合わせ返信)を大量に回すほど効く。100万件あたりShitate cheapは$2,100、GPT-5.5 Pro単体なら$34,600という試算です。少量利用や低レイテンシが必須の用途には向きません(候補生成が並列でも律速35.2秒+審議)。

teai.ioで試すには

shitate/orchestrator は teai/auto のエスカレーション最終段としても、単体モデルとしても呼び出せます。モードはサフィックスで指定します。

curl https://api.teai.io/v1/chat/completions \ -H "Authorization: Bearer $YOUR_KEY" \ -H "Content-Type: application/json" \ -d '{ "model": "shitate/orchestrator", "messages": [{"role":"user","content":"取引先への納期延期のお願いを社外向け敬語で"}] }' # モード指定(サフィックス) # shitate/orchestrator 既定=cascade(安いモデル1本→固有値想起のときだけ上げる) # shitate/orchestrator:solid 3候補審議(必ず束ねる) # shitate/orchestrator:verify 安く下書き→強いモデルが検証(費用対効果の最適点) # shitate/orchestrator:max 強いモデルを5回振って審議者が確定(最高精度・最高コスト)

te CLI からも同じカタログをそのまま叩けます。

te -m teai/shitate/orchestrator run "取引先への納期延期のお願いを社外向け敬語で"

この記事の限界

数字はすべてShitate LAB NOTES #4からの引用で、生ログ・採点コード・判定プロンプト・却下74件・dev/test分割のシードまで shitate.ai で全公開されています。公開300問は一般的な日本の職場を想定したものなので、業界・社内文書によって成績は変わります。国産の単体LLM(Sarashina / PLaMo / Swallow / ELYZA / Rakuten AI / tsuzumi)は本稿の時点で未測定です。

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