teai.ioに新しく teai/max というモデルを作った。最初の案は「各社の実質最上位を1本ずつ3体束ねる」だった — Claude Opus 5・GPT-5.5 Pro・Gemini 3.1 Pro。結果は99.0点。単体最強クラスのSakana Fugu Ultra(99.3)にも、既存の安いモデル2体構成(99.3)にも届かなかった。候補を2体に絞り直し、Sakana Fugu UltraとGrok 4.5という組み合わせを審議で束ねたら99.3点で単体最強に並んだ。負けた構成も含めて、設計プロセスを全部公開する。
結論から3行: ①「各社の最上位モデルを3体束ねる」は直感的には最強に見えるが、実測では単体最強に届かなかった(99.0)。②候補を2体(Sakana Fugu Ultra + Grok 4.5)に絞ったら、単体最強Sakana Fugu Ultra(99.3)に並んだ。③弱い方の候補(Grok 4.5・単体95.4)を混ぜても、審議者が正しく選別すれば足を引っ張らない。
最初の設計は素直な発想だった。teai.ioのカタログでベンダー別に最も高い(=最も強いはずの)モデルを1本ずつ選ぶ: Anthropic Claude Opus 5・OpenAI GPT-5.5 Pro・Google Gemini 3.1 Pro。審議者には候補に含めない別の最上位モデル(Claude Fable 5)を立てた。SHITATE-JP v1のtest半分(n=152)で実測した結果:
| 構成 | test精度(n=152) |
|---|---|
| Sakana Fugu Ultra(単体最強クラス) | 99.3 |
| teai/max v1(Opus 5 + GPT-5.5 Pro + Gemini 3.1 Pro、3候補審議) | 99.0 |
| GPT-5.5 Pro(単体) | 98.0 |
| Claude Fable 5(単体) | 97.4 |
shitate/orchestratorの知見(3候補solidモードが2候補cheapモードに負ける・99.0 vs 99.3)と同じ壁にぶつかった。候補が多いほど良いわけではない。「各社最上位」という前提だけでは、この壁を越えられなかった。平均82.0秒/問・候補の中で最も高いGPT-5.5 Pro($30/$180)を含む構成で、コストも精度も割に合わなかった。
「候補数より毛色の違いが効く」という仮説を検証するため、まずdev半分(test半分は汚染回避のため未参照)から小サンプル(21問)で候補ペアの予選を行った。審判はClaude Fable 5に固定。
| 候補ペア(予選・n=21) | 精度 |
|---|---|
| Sakana Fugu Ultra + Grok 4.5 | 100.0 |
| Sakana Fugu Ultra + TML Inkling | 97.6 |
| GPT-5.5 Pro + TML Inkling | 97.6 |
予選21問というサンプルサイズなので、この差自体は測定ノイズの範囲内。ただし最も有望な1組を選ぶには十分な信号だった。
勝者「Sakana Fugu Ultra + Grok 4.5」をtest半分152問フルで決勝測定した結果:
| 構成 | test精度(n=152) |
|---|---|
| ★ teai/max v2(Sakana Fugu Ultra + Grok 4.5、審議=Claude Fable 5) | 99.3 |
| Sakana Fugu Ultra(単体最強クラス) | 99.3 |
| GPT-5.5 Pro(単体) | 98.0 |
| Claude Fable 5(単体) | 97.4 |
| Grok 4.5(単体) | 95.4 |
| teai/max v1(3候補・不採用) | 99.0 |
v2の運用後、「単体最強Sakana Fugu Ultraを超える組み合わせはまだないか」を確認するため、カタログの単体スコア上位からまだ試していない候補ペアを総当たり的に洗い直した。その過程で「使っているモデルは最新版か」という指摘を受け、v2測定時点のGrok 4.5・GPT-5.5 Proを、より新しいGrok 4.6(8/6リリース)・GPT-5.6 Sol(現行トップ級)に差し替えて測定し直した。dev半分21問の予選(審判はv1/v2と同じClaude Fable 5固定):
| 候補ペア(予選・n=21) | 精度 |
|---|---|
| Grok 4.6 + Gemini 3.1 Pro | 97.6 |
| GPT-5.6 Sol + Kimi K3 | 97.6 |
| Sakana Fugu Ultra + Grok 4.6(v2をGrok 4.6に更新して再測定) | 92.9 |
予選上位2組をtest半分152問フルで決勝測定した結果:
| 構成 | test精度(n=152) | 平均秒/問 |
|---|---|---|
| ★ teai/max v3(Grok 4.6 + Gemini 3.1 Pro、審議=Claude Fable 5) | 99.3 | 45.9 |
| Sakana Fugu Ultra(単体最強クラス) | 99.3 | — |
| teai/max v2(Sakana Fugu Ultra + Grok 4.5・旧採用) | 99.3 | 63.6 |
| GPT-5.6 Sol + Kimi K3(同点・不採用) | 99.3 | 101.9 |
te CLI からも同じ呼び出しができる。
数字はすべて自社実測(SHITATE-JP v1・n=152・固定seed)で、生ログ・判定プロンプトはShitate LAB NOTESと同じ手法・同じ判定モデルを使用している。公開300問は一般的な日本の職場を想定したものなので、業界・社内文書によって成績は変わる。
teai/maxの候補構成は固定ではない。新しい強モデルが登場するたびに、同じ予選→決勝のプロセスで再評価し、勝てば入れ替える。過去に試した構成(採用したものも、しなかったものも)はすべて履歴として残し、この記事も更新していく。